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Tomi

台所で染める。Dye from Kitchen

前回、前々回の

偏った衣類への熱い想いを綴ったブログ公開後、


たくさんの方から

ブログ見ました〜、とか、

こんな染め方ありますよ、とか、

嬉しい反響をいただきました!

どうもありがとうございます!


頭の中で長い間モンモンとしていたことを文字にしてみたら、

同じことを思ってました、って共感して下さる方も多くて、とても元気が出ました!




そして、草木染めをやってみたい、という要望もあり、

お店でワークショップをやってみたので、今回は、その時の話を書こうと思います。




ちなみに、前回のブログで、衣類3部作完結編、と言いましたが、

全然完結せず、次回に続く予定です。笑










染める


というと、あまり馴染みのない人も多いようですが、

意外と身近なもので簡単に染められます。



夏にやってみたインディゴ染めをはじめとする化学染料は、化学繊維との相性が良く、

その2つは同じ時期に、

衣服を大量生産したり、ストッキングなど伸びる生地を作る、という目的で

急速に発展した歴史があるようです。



化学繊維や化学染料が開発される以前は、

衣類は羊毛、綿、絹、麻、などの天然繊維で出来ており、

植物や鉱物、虫など天然の素材で染められていました。


逆にいうと、草木染めは、これらの天然繊維しか染まりません。


なので、染める前にまず、染めたいものの繊維を確認する、という作業があります。




よくあるのは、


素材はコットン100%

だけど

縫い糸はポリエステル


というパターンです。


この場合、糸の部分は染まりません。


組成表示に細かく書いてあることもありますが、

表示されてないときはちょっと注意が必要です。





あと必要なものは、染料になる材料。



ワインこぼしてシミになっちゃった!


とか、


転んで服が泥だらけ!


みたいに、色が付くものは大体染料になります。


また、葉っぱや野菜なども、ぐつぐつ煮出せば、だいたい何色かには染まります。

(黄色っぽい茶色が多い印象)




今回は、うちの畑の栗の鬼皮と渋皮を使って

栗染めワークショップにしてみました!





というのも、草木染めで一番大変なのは、

染料になる素材が、まぁまぁ大量に必要なところです。


しっかり色付けしたかったり、何枚も染めたい場合は、かなりたくさんの素材が必要になります。




そんな訳で、

毎年、秋になるとモンブランを作るので


大量に出る栗の皮は、染めのワークショップにピッタリ!

となり、開催に至りました。





栗の皮で染めると、こんな感じのピンク系の茶色になります。


染めるものの素材や、染める回数、色を変えたり定着させたりする媒染の仕方によっても

色は変化します。




今回は、

どんな色か、どんな濃さになるかは、おまかせスタイル。

(もちろん試し染めはしましたが、私は色を予想できるほどコントロールできない)



とにかく皮を剥いて、

鍋に入れてできるだけ長くぐつぐつ煮る。




今回は、鬼皮も渋皮も、全部混ぜました。(ちょっと栗の実も入ってる;;)

そして布巾などで皮を漉した汁が、染料になります。




染料を作るときも、実際に布を染めるときも

火にかけることになるので、

薪ストーブの上に置きっぱなしにできるこの季節が染めには最高です。



そして、草木染めのいい所は、専用の道具がほとんど必要ないこと!


お鍋や菜箸など、普段キッチンで使っている道具が使えます。


栗を皮ごと茹でているだけなので。。。笑




染めたい布は、

事前に豆乳などのタンパク質を含ませて乾かしておくと染まりやすい、

という性質がありますが


今回のワークショップでは、簡単に染めてみる体験、ということで

そのまま染料の鍋にドボン、と投入しました。





そして、あとは、ゆらゆら揺らしながら、

コーヒー飲んで待つ。


煮物に味を染み込ませる要領で

濃くしたい人は長めに。

時間制限ある方は、サクッと。


媒染も、やったりやらなかったり。笑





そんなズボラなワークショップでした。




それでも、営業期間中は、毎日1〜2人が染めの体験をしに来てくれて、

染めのハードルは下がったんじゃないかな、と勝手に思っています。


各々、糸や布、エコバッグなど持参して参加してくれました!






ちなみにこの私のやり方は、かなりの簡易版。


最低限の作業で染めるやり方です。


狙った色を出したい場合とか、きっちり綺麗に染めたい場合は、

下準備や、適した道具など結構あります。


草木染めの本などたくさん出ていますので、本格的にやってみたい方はじっくり研究するのがおすすめ!




そしてやはり、染液やすすぎの水をそのまま流しても罪悪感がない

というところが、ポイント。



染液と言うより、茹で汁、と言った方が更にしっくりくるかもしれません。




例えば、小豆を茹でて、煮汁を茹でこぼす時なんか、

茹でこぼさず、鍋に溜めれば、ピンク色で可愛らしい小豆染め。



こんな感じで、手拭い一枚分くらいは、普通のお鍋でもキレイに染まります!




あと、飲み終わった後の紅茶のティーバックを、何個か一緒にぐつぐつ煮出して

染め液にしてみる。


とか、


ちょっと雑草刈ったので、煮込んでみる。

とか。



お鍋など使う道具に抵抗がない範囲で


こういった小さい単位でも草木染めを手軽に楽しむことができますよ〜!




もちろん、洗ったときや、日光にも弱いので、

どんどん色落ちしてきますが

その経年変化も草木染めの醍醐味であるし、


色が落ちたらまた染めればいい


と考えたら、ものを大事に使うことにも繋がります。






当たり前に


壊れたら買い替える

汚れたら捨てる


というサイクルの現代ですが、




壊れたら直す

汚れたら染める



そんな発想に変わったら、もう少し優しい世界になりそうだな〜と思います。






今回の栗染めワークショップを、青森経済新聞さんが記事にして下さったので、

こちらも併せてどうぞ!






希望者がいたら、また来年も開催したいと思っています。




そして、ワークショップ中に参加者の皆さんと色々話した中で、


コーヒー染め


というワードも結構出てきたので、

そちらも検討する予定。




コーヒーのカスは大量に出るので、今まで何度かチャレンジしてきたのですが、

一度抽出してしまってるので、あまり濃い色が出ず、コーヒー感が全然出せなかったので

ずっと再チャレンジしていませんでした。


ですが、何となく上手くいきそうな方法があったので

冬の間に試してみたいと思います!



せっかくコーヒー屋だから何かに使えたらいいな、と思いつつ、

ただただ土に還っていくだけだったので。。。





あと、今回の私の衣類への偏った熱い想いを受けて、

繊維の歴史の本を紹介してもらったので、こちらもシェアします。


分厚くて少し難しめの内容ですが、

現代の化学染色やファストファッションに辿り着くまでの繊維の歴史がよく分かります。




この本の中で、合成染料を使用した染色による廃水は

世界の廃水の20%も占めていることや、


元々、自然原料で染めを行っていた頃には

色には収穫や採取にまつわる特別な意味があったことなど


興味深い話がたくさん載っています。





また、私もそうですが



布から服を自分で作っている人


というのは、結構いますが、



繊維を採って、布に仕上げて、服を作る人


となるとかなりハードルが上がります。





でも、実際は、どこかの国の誰かが、


繊維を採って布にする、という工程をやっているから私の手元に布があるわけで、



そのどこかの国の誰か、



について知るきっかけになりました。






ということで、次回は


繊維を採って、布にする


をお届け予定です。


この植物のおはなし。





最後までお付き合い頂きありがとうございました〜!

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